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Dissertation

Aizome (Natural Indigo Dyeing) / 藍染め

古くから世界各地で行われてきた歴史のある「藍染め」は、天然染色を代表するものの一つ。蓼藍(たであい)などの植物に含まれる色素を利用した染色方法ですが、その染料の作り方は、同じく植物から色素を得る「草木染め」とは大きく異なります。

Category:Processing
Date:2022.06.07
Tags: #aizome #indigo #indigocampingtrailer #naturalindigo #ss22 #visvim #藍染め

古くから世界各地で行われてきた歴史のある「藍染め」は、天然染色を代表するものの一つ。蓼藍(たであい)などの植物に含まれる色素を利用した染色方法ですが、その染料の作り方は、同じく植物から色素を得る「草木染め」とは大きく異なります。

「草木染め」の多くは、植物から水溶性の色素を煮出して染料を得るのに対し、藍色の色素である「インディゴ」は不溶性。染料を得るにはアルカリ還元で色素を溶解する必要があり、この「藍染め」特有の工程を日本では「藍建て」と言います。

「藍建て」の方法は大きく分けて2つ。自然由来の醗酵菌を利用する「醗酵建て」と化学的な還元剤を利用する「化学建て」です。どちらの方法も蓼藍など原材料の葉を「醗酵」させることで得たインディゴ色素で染色し、酸化させて青色を得るという理屈は同じですが、どのように「藍建て」するかで色合い、染め上がりには大きな違いが出ます。

「目指すのは江戸時代の藍色です。その特徴はこってり感と透明感。澄んだ、透明な色の層が幾重にも重なったような深い藍色は、濃いけれどサラッとして濁りがない。」そう語るのは、これまで〈visvim〉の多くの商品を染め上げてきた東京・青梅市にある藍染工房「壺草苑(こそうえん)」の職人、村田徳行さん。長年、藍染めだけに拘り染色を続けてきた村田さんは、「もう試行錯誤を繰り返し尽くして、これ以上というのもなかなかないのだけれど」と笑いながらも、いまなお江戸時代に確立された技法、醗酵のさせ方や染め方で生まれる色にできるだけ近づけたいと研究を続けています。

江戸時代も含め日本で古くから行われている「醗酵建て」は、蓼藍の葉を乾燥、醗酵させた原材料となる蒅(すくも)に木灰汁や酒、麩(ふすま)、石灰を入れて仕込むことから始まります。それを朝夕攪拌して、34日経つと醗酵が始まり、そこで石灰を追加。醗酵が十分に進んだら、さらに木灰汁を入れて嵩上げし1週間から10日目でようやく染められるようになります。

「醗酵建て」の工程は大まかにこうなりますが、使用する材料や醗酵のさせ方に決まりはありません。蒅の産地、灰の種類、灰汁の濃度、その他材料の量、各工程にかける時間。目指す色によって紺屋や職人ごとにノウハウがあり、それぞれの特徴が出る面白いところでもあります。当然、決まった薬品を使う「化学建て」に比べて表現は豊かですが、藍の自然醗酵の様子を見ながらの調整や管理には多くの手間がかかります。

「一律に時間をかけて藍を醗酵させるのではなく、よい醗酵状態を見極めて染めるんです。そして、その状態をできるだけ長く保つように管理する。そのために大事なのが灰の質なんです。ある人は、灰で色が決まるとさえ言いました。」と村田さん。

「藍建て」の前に準備をしておかなければいけないのが灰汁。使用するのは樫(かし)や欅(けやき)、櫟(くぬぎ)などの灰。酸化しないように保管されたそれぞれの灰の状態を見極めて配合し、熱湯を入れて冷めたら上澄みをとる。そこへまた湯を加えて同じように上澄みをとる。1週間程度の時間をかけて、これを4回繰り返し一番灰汁から四番灰汁までアルカリ濃度の異なる灰汁をとり、藍の醗酵状態に合わせて使い分けます。質のよい灰汁であれば藍が活発に醗酵し色がよくなるだけでなく、染料の状態が安定し管理もしやすくなります。

「特にシューズを染めるような場合には、藍が本当によい醗酵状態の時でないと難しい。キャンバスにレザー、ゴム、いろんな素材を使っているだけじゃなく、製品だから形にも個体差がある。人が縫製し組み立てるから脂などが付着していることもあって、それが染色を邪魔したりもする。悩んで頭を抱えるようなこともあるけど、こういう難しいものこそきれいに染め上げたい。そう思って色々試しているんです。」

藍染めのように自然から生まれた魅力と現代のものづくりの技術を合体させ、これまでにない新しいプロダクトを生み出していきたいと、実験的な取り組みを行なってきました。職人とともに試行錯誤を繰り返して、その成果を少しずつ商品に反映させています。

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