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Goodyear Welt / グッドイヤーウェルト

ボクらはもう何年も前からグッドイヤー・ウェルト・コンストラクションのシューズを作り続けています。

Category:Processing
Date:2023.06.12
Tags: #goodyearwelt #shoes #visvim #グッドイヤー・ウェルト

ボクらはもう何年も前からグッドイヤー・ウェルト・コンストラクションのシューズを作り続けています。

 

200年近く前に発明されたこの革命的なコンストラクションによりプロダクトの質は大きく飛躍しました。履けば履くほど植物タンニンで鞣されたアッパーレザーが足に馴染み、その風合いすら個性としてしまいます。ミッドソールの下に敷き詰められた天然のコルクは足裏にかかる体重で沈み、足の形状に馴染んでいきます。自分の足にばっちりと合ったブーツはもはや体の一部のようなもの。自然と履く回数は増え、気づけばソールはすっかり磨り減っているでしょう。いったん自分だけのものになったブーツを簡単に手放すことなんてできません。

そんな時は、ソールを張り替えて、また元のように履ける状態に戻してあげる。自分の足にぴったりと合った履き心地はそのままに。グッドイヤー・ウェルト・コンストラクションのシューズは、ソール張り替えを比較的簡単に行うことができるのです。それは快適に長く使える自分だけの履いていて幸せになるシューズです。

近代製靴法の最高峰とされる「グッドイヤーウェルト」は、19世紀後半にアメリカ人のチャールズ・グッドイヤーJr.が開発した製法で、すべてを手縫いで行う「ハンドソーンウェルト」製法を元に、その質を保ちながら機械と分業することで確立されたものです。靴の甲革(アッパー)を直に靴底(アウトソール)に縫い付けるのでなく、外側の細革(ウェルト。コバとも呼ぶ)と中底を合わせて縫い付けた後、細革と靴底を縫合して甲革と靴底を固定します。ソールの周縁に張り出たコバ部分に見える縫い目がその外見的特徴です。

接着剤の使用を最小限に抑えながら、強度と安定感に優れ、長時間履いても疲れず、また吸排湿性も高いグッドイヤーウェルトは伝統的な紳士靴やアウトドアブーツなど実用性を重んじる靴の分野で受け継がれてきましたが、工程が多く職人の熟練した技術を要するため、近年ではコスト面から接着剤を多用し底付けのプロセスを大幅に省略した製法を採用した靴が市場に増加し、その技を持つ職人の数も減少しています。 

Movie: Takeshi Abe

2023.6.12 Republished with revisions
2016.12.13 Original work published