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Dissertation

Chochin(Japanese Lanterns) / 提灯

京都の南、秋の紅葉や本坊庭園など多くの景勝で知られる東福寺のほど近くに、江戸寛政年間(1789年から1801年)創業の老舗提灯屋「小嶋商店」はある。

Category:Products
Date:2017.08.01
Tags: #chochin #visvim #提灯

京・地張り提灯

京都の南、秋の紅葉や本坊庭園など多くの景勝で知られる東福寺のほど近くに、江戸寛政年間(1789年から1801年)創業の老舗提灯屋「小嶋商店」はある。創業当時から「地張り式」の提灯にこだわり、いまなお変わらない伝統的な製法で提灯を作り続けている数少ない「京・地張り提灯」専門の提灯屋だ。

visvimの展示会のインスタレーションとして会場のエントランスに飾られたり、一部店舗の照明として掲げられている提灯は、すべてこの「小嶋商店」で作られている。

VISVIM EXPOSITION
VISVIM EXPOSITION

京提灯の特徴は「地張り式」であること。そもそも提灯の製法には「巻骨式」と「地張り式」の2種類がある。

「巻骨式」とは、一本に繋いだ竹ひごを木型に沿って螺旋状に巻いていき、提灯の骨格を作る方法をいう。この方法は骨格製作にかかる時間を短縮できるため大量生産に向いており、現在、一般的に用いられている提灯の製法である。ただ、強度が弱いため貼れる和紙の厚みが限られ、提灯の用途が限定されるという欠点もある。

 

一方「地張り式」は、竹を薄く割って作った骨を一本ずつ輪にして木型にはめていき、何本もの麻糸で輪同士を結び合わせて提灯の骨格を作る方法をいう。製作には手間も時間もかかるが、とても丈夫なため様々な厚みの和紙を貼ることができ、素材の表情が活かされた堂々とした雰囲気の提灯に仕上がる。すべての工程を手作業で行う「地張り式」の提灯は大量生産することはできないが、骨の一本一本や和紙など一つ一つの素材選びにも職人の気配りが感じられる製法である。

 

近年では、提灯自体の需要の減少、ビニール提灯や「巻骨式」提灯の台頭などで「地張り式」の提灯屋や職人の数は減少しており、京都でも数軒が受け継ぐのみとなっている。