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Published by Cubism Inc.:

Subsequence

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Dissertation

Samuel and Stephen's Works

世界中の工芸と文化にまつわるトピックスをオルタナティヴな視点で発見し、発信する実験的なメディアプロジェクト「Subsequence」。
その主軸コンテンツである雑誌で、創刊号から連載しているvisvim WMVのファッションページは、ロンドンのカメラマン、サミュエル・ブラッドリーとスタリスト、スティーヴン・マンによる仕事。毎号、編集部からの注文は「本誌テーマに沿うものであること」のみ。二人のクリエイティビティが溢れんばかりに表現された迫力あるページは、大判本誌でご覧いただきたいですが、ここでその一部をご紹介します。

Category:Products
Date:2024.02.06
Tags: #samuelandstephen'sworks #SS19 #subsequence #visvim #wmv

vol.1

Cast a Giant Shadow 

visvim WMV Spring and Summer 2019

Subsequence Magazine vol.1掲載

Photographer - Samuel Bradley

Styling - Stephen Mann

Talent - Conner Rowson @ Wilhelmina

Nova Orchid @ Premier

Production - Noir Productions

Grooming - Kota Suizu

Grooming assistant - Chihiro Yamada

Retouch - StudioRM

スティーヴン・マンとの会話

インタビュー:ジェレミー・カークランド(ロンドン拠点のファッションライター)

僕とスティーヴン・マンとは2016年に初めて会った。実はそれよりずっと前から、彼のブログ『The Non-Place』をよく読んでいた。インスタグラム時代よりも前の2000年代初期から、自分の購入した衣服を掲載していた写真ブログだ。例えば、完璧な縫製の年代物の〈プラダ〉のコートを取り上げる日もあれば、翌日は〈ナイキ〉の限定エディションのスニーカーが更新される。こんな組み合わせが珍しくなかった。当時、ハイファッションとストリートファッションを理解し、その領域を自由に行き来する独特のセンスは、オンライン以外でも目にしたことがなかった。だが、スティーヴンにとってそれはとても自然なことだった。

現在、スティーヴンはその独特の視点を活かし、スタイリストやクリエイティヴ・コンサルタントとして成功している。そのことを褒めると、彼はとても恐縮して謙虚に賞賛をかわす。彼にとって長年にわたるクリエイティヴな仕事は、ファッションの視点をガラリと変えるような大げさなことではないようだ。彼もまた我々と同じファッションの一ファンなのだろう。

時に想像もしない風景をみせてくれる彼がファッションに足を踏み入れたきっかけや、10年前から独自のスタイリングの世界を拡散してきたソーシャルメディアが将来ファッション業界にもたらす影響と変化について、話を聞いた。

JK - さあ始めましょうか。どのようにファッション業界に入ったの?

SM - ありふれたセリフに聞こえるかもしれないけど、物心ついたころから衣服がもつ発信力に魅了されていたんだ。長い間、無意識にそれを感じていたけど、この道でキャリアを積む可能性について考え始めたのは、10代後半の頃。20代前半には、ファッション業界のどこに自分の場所を確立できるかを模索し始めたよ。

JK - スタイリストとはどんな仕事?どうやってスタイリストになりましたか。

SM - 「スタイリスト」に固定観念はもっていないんだ。一昔前とはずいぶん変わったと思う。そこが醍醐味でもある。言うなれば、異なるジャンルをコラボレートさせて、そこに新しい価値を見いだせることかな。
スタイリストになるためには、著名なスタイリストのアシスタントを経験することを勧めたいね。短期間であったとしても、その経験には価値があるから。そこから先は、人それぞれだけど、自分のアイデアをどうやってコミュニケーションするか、どの環境が自分に最適なのかを見極めることだと思う。

JK  - あなたの1日を教えてください。

SM  - 1日として同じ日はないのがこの仕事のいい所だと思うんだけど、自分のルーチンを決められるのは恵まれているね。 自分にとって重要なことだよ。

JK  - ここ数年の、ファッション業界のソーシャルメディアへの依存度についてはどう思う?

SM - 今までにないアクセスを手にしたことは素晴らしいことだよ。瞬時に情報を得て、世界中の人と即時に繋がれる最強のツールだ。ただ、自分に届く情報がますますフィルターされ、気付かない内に選ばれていることには危機感を感じる。どんどんアルゴリズムで抽出された情報になっているからね。重要なのは、ソーシャルメディアというツールをいかにうまく使いこなせるか。使いこなせなければ危険だとすら思う。

JK - 数々の素晴らしいスタイリングを行っていますが、特に気に入っているものはありますか?

SM - 現場ごとに違うチームと組むし、それぞれに特別な思い入れがあるから、どれかひとつを選ぶのは難しいな。プロセスやコラボレーションの形が、自分にとって製品に意味合いをもたらすので。その意味では、写真家のジェイソン・エヴァンスとの撮影はいつも楽しみにしているよ。イメージを生み出すまでの体験が、製品と自分の関係性にとって重要なキーなんだ。

JK - 一緒に仕事をするデザイナーはどうやって決めているの?

SM - 僕がデザイナーを決めるわけじゃない。強いて言えば、デザイナーと自分の関係性がお互いにとって自然に感じられる時かな。自分にとって、誰かのビジョンを共に完成させることができる時、それがお互いにとっていい関係なんだと思う。

JK - 理想的なプロジェクトやクライアントは?

SM - 正直、「これだ」とは言えないな。デザイナーと協力しあって、ブランドを作り上げていければベストだよ。マイケル、キコ、タローと一緒に始めた〈AFFIX〉は新しいエキサイティングな試みだね。

JK  - スタイリストになりたい人にアドバイスを。

SM - 自分にしかできない仕事は必ずある。周囲に気を取られないで、自分がやりたいことだけを集中して、洗練させていって欲しいな。