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PEERLESS

お店を作る際、その空間が備えていて欲しい条件の一つは自然光が十分に入るということ。それは、たとえ商業施設の一角であっても変わりません。

Category:Shops
Date:2020.01.28
Tags: #peerless #visvim #ピアレス

お店を作る際、その空間が備えていて欲しい条件の一つは自然光が十分に入るということ。それは、たとえ商業施設の一角であっても変わりません。そして、その場所や建物の特徴を活かして、いかに空や光、風や緑などの自然と繋がりのある心地よい空間を作り出すかを考えます。

「渋谷PARCO」内にオープンした〈PEERLESS〉でもっとも目を惹く、お店の境界に据え置いたフィッティングなどを収めた箱は、デッドストックのレンガに天然素材の釉薬をかけて再焼成し、それを積み上げて築いたもの。焼きムラのあるレンガは、ヌメっと濡れたような艶のある表情や、ザラっと硬く乾いたような表情など、一点一点手触りも含めて個性のあるものに仕上げられています。もちろん、積み上げ作業も職人による手作業のため、微かに段差のある表面や、完璧ではない直線は空間に暖かみも与えています。

もう一つ、このお店の大きな特徴が「三和土(たたき)」の床。その名の通り、土に砂利や石灰、にがりなどを混ぜて練り、塗って叩き固めた素材で、3種の素材を混ぜ合わせて調合することから「三和」と書きます。古くから日本家屋の土間などで見られる建材で、塗り固めたあと、数日おいて表面を水で洗い出して仕上げ、粒立った砂利感のある表情を持っているのが特徴です。フラットではないこの床が、高い光度を持つ自然光をほどよく吸収して、空間全体へ反射することで心地よい明るさを作り出し、商品が持つ本来の色を見る上で大切な役割をはたしてくれます。

この他にも、左官職人が仕上げた漆喰の壁や〈F.I.L. FUKUOKA〉でも取り入れた名栗加工を施した什器など、素材そのものが持つオーセンティックな表情を活かした意匠を随所に散りばめました。それらは、周辺に溢れる人工物と比べると、どこか控えめな印象のものですが、表情豊かな商品と向き合う場としてふさわしい空間に仕上がっています。

名前はこれまでのコレクションの中で幾度も使ってきた単語である〈PEERLESS〉としました。意味は「似たもの、比較するものがない」。このお店だけの商品も展開予定です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りいただき、実際にレンガの壁や三和土の床に触れてお店を体感してください。皆様のご来店をお待ちしております。

PEERLESS
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 3F
03 5422 3972